あなたは大丈夫?『させていただく症候群』にならないために
2014/10/18
最近良く聞く言葉に「○○させていただく」というものがあります。
いつからあんな言葉が蔓延るようになったんでしょうか。
アレ、個人的にすごく気になります。
自分だって正しい日本語使えてるかって言ったら使えてないと思います。
言葉は流動的で時代とともに意味も変化するし、というものわかります。
でもね…。
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目次
気持ちはわかります…
いや、実際、気持ちはよくわかります。
「丁寧に。」
「相手を不快にさせないように。」
でも正しくない場面で使用している人が多い気がするんです。
「させていただきます」ということでどう話してよいかという不安な気持ちを少しでも払拭したいんだと思います。
ホントにさせていだたく場合はいいんです。
問題はさせていただいてない場合です。
正しくは
「させていただく」という言葉は「自分の行動に、相手の許可をもらう」ということと、「恩恵にあずかる」という気持ちを、同時にあらわす言葉です。文化庁の敬語の指針によると、「相手に許可を受けての行動」であることと、「そのことで恩恵を受けるという気持ち」の、両方がそろったときには「させていただきます」という言葉も、適切な敬語表現とされています。例えば、相手の資料をコピーさせてもらうときに「コピーを取らせていただけますか」と言うのは適切な使い方。「ご連絡させていただきます」は、「こちらからぜひ連絡したいので許可をください」という気持ちを表していると考えれば、適切と言えるのかもしれません。
出典:マイナビニュース「「させていただきます」は正しい? 正しくない?」
「見させていただく」「電話させていただく」「取らせていただく」…
テレビなんかを観ていて特に多いのが、「見させていただく」とか「聴かせていただく」でしょうか。
芸能人が他の芸能人が出ている番組を観ているという話や好きなアーティストの曲を聴いているという話をするときに
決まって「見させていただいています」「聴かせていただいています」。
アホかと。「拝見する」という日本語がなぜ出てこない。「観ています」「聴いています」で何も失礼なことはないと思うのですが。
びっくりしたのが、おととしの流行語大賞をワイルドな人が取った時の会見で「この賞を取らせていただいて」と発言したことです。
賞って取らせていただくものなの?
「頂く」で済む話なのに。もう自分が主体というか中心というか自分本位でしか物事を考えられない人なのかと。
だから「とる」という単語が出てくる。そのままだとなんとなく偉そうでマズイ → いただくをつける。
一般社会で多いのが「電話させていただきました」というやつでしょうか。
問い合わせやクレームの電話の時にも「電話させていただいたんですけど」という人がいて横で聞いていて悲しい気持ちになります。
「いや、もう電話してるやん!」
させていただく症候群にならないために
ホントに気持ちはよくわかります。偉そうに言っている私も使いそうになります。
でも使わないようにするために、少しだけ考えたらだいぶマシになります。
「それって本当にさせていただくことなの?」と自問する
自問しましょう。そうすれば正しい言葉が出てくるはずです。
もちろん「自分の行動に対して、相手の許可をもらう」場合は「させていただいて」くださいね。
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